心を整える PR

幸せな物語のあと、胸がしんとする理由

※記事内に広告リンクを含みます/購入により運営に収益が発生することがあります。

本を読み終えたあと、心があたたかいのに、どこかしずかな寂しさが残ることがある。
ハッピーエンドのはずなのに、胸の奥がきゅっとして、現実の空気が少しだけ遠く感じる。
ページを閉じて、深呼吸をひとつ。
その瞬間に、物語の中にいた自分が、そっと現実に戻っていくのを感じる。

心が動いた証としての静けさ

きっとこれは、心が本気で動いた証なのだと思う。
登場人物と一緒に笑い、涙し、願った時間が確かにそこにあった。
物語を読むというのは、心の奥にある何かをそっと撫でる行為に似ている。
感情が動くほどに、読み終えたあとの静けさは深くなる。

あの静けさには、少しの空白と、やさしい余韻がある。
「この物語が終わってしまうのがさびしい」
「でも、彼らが幸せでよかった」
そんな相反する気持ちが胸の中で溶け合って、
やわらかな沈黙だけが残る。

私はそんな時間が、少し好きだ。
心が静かになっていく過程を感じると、
自分が“ちゃんと生きている”ような気がする。

沈んだ心をやさしく整える

沈んだ気持ちのまま、すぐに次の本を手に取ることもあるけれど、
最近は少しだけ間を空けるようにしている。
お湯をわかして、カップに注ぎ、好きな香りをひと滴たらす。
ラベンダーのやわらかな香りが部屋に広がって、
心の奥に残った“物語の余韻”を少しずつ溶かしてくれる。

それから、小さなノートを開いて、
感じたことを一行だけ書く。
「この物語があってよかった」と。
それだけで、沈んだ気持ちは少しずつ温もりに変わっていく。

静けさを抱きしめるということ

幸せな物語のあとに訪れる静けさは、
きっと“心がちゃんと感じ取った証拠”なのだと思う。
誰かの想いを受け取って、自分の中に灯をともした証。

その静けさを否定せず、ゆっくり抱きしめる。
今日もまた、心が動いたことに、
そっとありがとうを伝えたい。

ABOUT ME
秋山チャチャ|日々を1mmやさしくする人
秋山チャチャ|日々を1mmやさしくする人。山梨で暮らす何でも屋事務員です。コーヒーの香りとアロマに癒やされながら、「ゆるっと、でも自分らしく」過ごす日々を綴っています。忙しい毎日の中で、ちょっと肩の力を抜くきっかけになれたら──そんな思いで、習慣・片づけ・お金・カフェ時間を中心に発信中。好きなものは、カフェめぐり、香り、やさしい言葉。小さく動いて、暮らしを1mmあたためていけたら嬉しいです。